GSメイド大戦 第二話


 波に揺れる船の上。
 豪華客船とはいえないものの、立派な設備をしているこの船。
 サングラスをつけて船上での日光浴。

 まさに気分はリゾートにいるようだ。
 しかも美人メイドがかいがいしく世話をしてくれる。
 なれないために戸惑いながらも横島はほとんど仕事を忘れながら、観光気分で楽しんでいた。



「横島様、飲み物はいかがいたしましょうか」

「んー、もらおうかな」

「では何にいたしましょう。ワインはシャトーマルゴーの1988年のものがありますが」

「お酒はこれから仕事だから遠慮するよ。コーヒーをもらえるかな」

「分かりました。お砂糖とミルクはどういたしますか?」

「ブラックでいいよ」


 その言葉を聞くとマルグリットは深く一礼をして下がっていく。

 リーラは仕事があるらしく、船に乗ってから別れたため彼女が横島の世話をしていた。

 横島は彼女たち以外の人も何人か見かけたのだが例外なくメイド服と呼ばれるものを着ているのを見た。そのため依頼主はよっぽどの金持ちで変わり者か好きものなんだろうと推測される。

 しかし以外なのはそんな依頼主が女性のGSではなく、なぜ自分を指定してきたのかと横島は考えた。


 しばらくするとコーヒーを持ってきたマルグリットだけではなくてリーラも一緒に来た。


「横島様、コーヒーをお持ちいたしました。熱いので気をつけてください」

「ありがとう」

「過分なお言葉もったいのうございます。当然のことをしただけですから」


 マルグリットは顔を朱に染めながら、あわてたように頭を下げる。
 横島の視線はぷるんと震える彼女の大きな胸に思わず目がひきつけられる。

 リーラの胸も大きいが彼女の胸はさらに大きい。
 思わず飛び掛りたくなるようなその胸はおそらくは美神さんよりも大きいであろう。
 先ほど船に乗ったころから横島の視線はあたりのきれいな風景など目もくれずそこに行くことが多かった。


「横島様、後20分ほどで到着いたします。それまでゆっくりなさってください」

「分かった。リーラ、一つ質問があるんだけどいいかな」

「はい、もちろんです」

「何で今回の仕事は俺に依頼されたのかな」

「どういうことでしょうか?」

「俺は事務所持ってないしさ、ほかのGSのサポートやGS協会にある依頼を受けたりしてるだけでほとんど有名じゃないだろ。これだけの金持ちならもっと他の有名なGS頼むこともできるのに直接俺に依頼してきただろ」

「ご主人様が決めなさったことなので。ただご主人様は政界にも人脈をお持ちになられています。それは日本の政界にもということです」


 リーラのどこかに含みを持たせた言葉を聴いたときに思わず舌打ちを横島はした。

 このご主人とやらはアシュタロス戦についてどこからか聞いてきたために依頼してきたのであろう。

 日本では親しい人はその話題を避けてくれた。
 ただし興味本位のやつらは俺がアシュタロス戦でスパイをしていたとテレビで流されているので聞いてきたりするがはとてもうざかった。

 また人類を裏切っていると報道していたころと手のひらを返したように自分を英雄のように扱うものもいて本当にいやになった。

 そのため日本を出たのだ。

 日本では当事国であったために多少の不安を消すためなどに報道はされている。
 海外ではアシュタロス戦について報道は自粛されているためにそんなことを知るものはいなくなった。

 正直、いまさらまたその話を持ち出されて、いらだつ気持ちを抑えきれない。

 しかし、横島は自分を不安そうに見ているリーラとマルグリットの表情を見てわれに返る。

 彼女たちが悪いんじゃない、それに俺が尋ねなければそのことは触れなかっただろう、そう言い聞かして横島はごまかすようにあいまいな笑みを浮かべる。


「そういえばさ、リーラとマルグリットは日本語がずいぶんうまいね」

「ありがとうございます。ご主人様に仕えているメイドはみな日本語を習っておりますので」

「え、全員?」

「はい、多少の巧拙はあるものの皆話せます」


 苦しいごまかしだなと思ったが帰ってきた返事に横島は目を丸くした。
 彼女が嘘を言っているようには見えない。しかし日本にいる外国の人ならともかく彼女たちメイドが何で日本語が話す必要があるのか。


「もしかして依頼人は日本人?」

「いえ、ご主人様はオランダ人です」

「日本に住んでいたとか?」

「いえ、そのような話は聞いたことはありません」

 ますます分からなくなった。
 リーラに日本語で話しかけられたときでさえ驚いたのに、これは理解の範疇を超えている。

 気分を紛らすためにコーヒーに手を伸ばす。少し冷めたコーヒーをごくごくと味わうようではなく一気に飲む。

 カップを少し乱雑に戻したときコーヒーがジーンズにかかる。

「横島様、そのまま動かないでください」

リーラがしゃがみ込むみ、ハンカチを取り出して丸める。
それを使って、とんとんとズボンの染みにならないようにうまくとっていく。

 そんな様子のリーラとは別に横島の頭の中は暴走寸前であった。
 絶世の美人が自分にかしずいて、奉仕を行っている。

 エロ本やセクハラなどをするものの横島はある意味、女性に慣れていない。
 自分が向かっていくことにはともかく、相手からの好意にはどうしてよいかあまり分かっていないのだ。

 横島の頭の中では悪魔がこれはもう押し倒すしかない。今度逃がすとこんなチャンスはないぞ。

 天使は合意もえないで押し倒すなんてだめだ。この半年間セクハラをやめたのは何のためだ。胸を張ってルシオラにあうんだろ・・・でもルシオラに会うためには子供を生まなくちゃいけない。それに彼女が嫌がるように見えるか?

 天使、悪魔((さあ、押し倒すんだ))

 横島の中で短い葛藤が終わり、さあ飛びかかろうとしたところでマルグリットに話しかけられた。

「横島様、島に到着いたしました」

 寸前で邪魔が入り、一気に横島は冷静になる。告げられてから数秒でリーラが足元から立ち上がる。

「終わりました。ではご案内いたします」

「ああ、ありがと。助かったよ」

 それを聞いたリーラがそっと微笑んだ笑顔があまりにきれいだったので、横島は彼女が言っている言葉も聞き取れずにしばらく見とれていた。










(あとがき)
 前回触れ忘れた一言。
 和樹くんは初めてリーラを呼んだときから呼び捨てでした。
 彼が呼び捨てするのは夕菜ぐらいなのにリーラには呼び捨てでした。
 メイドのネリー、シンシアも普通に呼び捨てにしていたところを見ると彼は本当にご主人様の素質があるのかも。

 前回の予定と違って、島に到着して終わり。まあ船の様子を書かないで一気に到着してから書こうかと思っていたせいですが。

 GSのようなもの再アップ計画を企画中。
 一度完結を断念したあれですが、改定して不定期にあげていこうかなと。
 更新速度がどうもこれだけだと鈍りそうなので。

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